小説を読み終わり・・・ヨンハさんを思った・・・

今日も読み終わった小説の話なんですが・・・ふとパク・ヨンハさんのことを考えてしまう内容だった・・・
実はヨンハさんの突然の死は みなさんも そうでしょうが。私をかなり動揺させました。
ほんとにショックでした。「どうして?」という疑問が つい芸能ニュースを追いかけさせ・・
なぜ死を選ばなければならなかったのか はっきりとした理由がほしかった。
お父さんの病気・・・マネージャーの裏切り・・・金銭問題・・・いろいろ言われていますが
本当のことは本人以外は分からないでしょうね・・・
ブログの記事に書くことも ためらわれ 追悼の思い以外は書かずにきました。そして 考えると 沈んじゃうので考えないようにしようと思ったんです・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜話は変わりますが〜〜〜〜〜〜〜
まずは小説の話から・・・

著者:重松 清(しげまつ きよし)さん
題:少しだけ欠けた月 季節風 秋

この作品は産経新聞大阪本社夕刊にて毎週土曜連載”季節風”より2006年10月7日〜2007年9月29日掲載分から10篇を単行本化にあたり改稿・改題されたものと ほか2篇が収録されておりまして。いわゆる短編集というものですね。

作品全体としての感想なのですが・・・今までこちらで紹介してきました本の中では いわゆる正統派だと思います。どなたでも抵抗なく読んでいただける内容だと思います。
得に中年男性が読まれると非常に共感されるのではないかと・・・また 中年女性(一応 この中に私もいれておきましょうか・・・嫌だけど・・・ハハハ;)が読むと 男の方のものの考え方がわかるかな〜?と感じました・・・そして あきらかに女性の考え方とは違う点が多々あるし すくなくとも私の考え方とは違う点は多かったです。
さ〜何についての考え方でしょうか?
親子について・・・親について・・・仕事について・・・子育てについて・・・
12作品ですからいろいろなんですが・・・でも12作品ともに家族に関するものがテーマ?になっていました。

そして ヨンハさんの死を知り なぜ?と考えだした時 ふと このなかの”風速四十米”という作品を思い出したんです。もちろん著者の意とは全く関係はなく 私が勝手に そう思ってしまったんですが・・・

”風速四十米”の要約と抜粋
この題は石原裕次郎さんの歌の題名であり そして台風のときの話なんです。
主人公は四十歳をすぎた一人息子のミノル。嫁と子供2人(高校生と中学生)
田舎に両親を残し東京で暮らしている。
父親は2年前に脳梗塞で倒れ一命はとりとめたものの 右半身に麻痺が残っている。
今は杖なしでは立ち上がることもできない、居間からトイレまでのほんのわずかな距離を歩くのにも おしっこをしくじってしまうほどの時間がかかる。麻痺のせいなのか、言語中枢にダメージを受けてしまったのか、去年あたりから急に言葉がでなくもなっていた。

ミノルは幼少期 とても怖がりで気が小さかった。若い頃の父は年中 浅黒く日に焼けていた。背丈はそれほどでもなかったが、肩幅があり、骨も太かった・・・・・・分厚い手の平でビンタをされると頭の芯がしびれるほど痛かった。だがたまに褒められるとき その手のひらで「ミノル、ようがんばったのう」と頭を撫でられると たまらなく誇らしかった。
「大丈夫」という漢字を見るたびに、父が三人並んで両足を踏ん張っている光景を思い浮かべていたものだった。
頼りにしていたかと訊かれたら・・・もちろん、と大きくうなずく。
いまでもそうか、と問いがつづいたら・・・黙って苦笑するしかない。

僕はもう・・・ 虫やお化けにおびえることもなくなった。だが、怖いものが全部消えてくれたというわけではない。それはただ、こわいものの種類がかわってきた、というだけなのだ。
僕はいま、将来が怖い。父の体調がさらに悪くなり、母まで倒れてしまったら、僕はどうすればいいのか。「びいびい泣くな」と叱ってくれる人はいない。そばにいて「だいじょうぶじゃ」といってくれる人もいない。

そして台風のある日・・・母は「台風が怖い 二人きりだと心細い」と涙声で電話をかけてきた。しかたなく ミノルは帰郷する。
父の口がうごく「大丈夫」「ミノルがおるけん」子供のような笑顔になった。

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ヨンハさんもこの主人公ミノルのように 自分がずっとずっとたよりにし、「お父さんがいるから」といろんな意味でも安心もしながら過ごしてきていたと思うんです。もしお父さんが病気もせず今も元気で働かれていたら。おそらく友人知人には頼めないような お金の相談もできたでしょうし・・・事務所の運営にかんしても相談できたのではないか?とも思うんです。
でも お父さんは病にたおれ とても自分の心配なんてさせられない・・・
あんなに元気で頼もしかったお父さんとお母さんは 今 僕を頼りにしている・・・
あんなこともこんなことも・・・と心身ともに疲れはててしまったんだろうか???

この作品のことが すぐに思い出され・・・切なくなりました・・・別れを惜しんでくれる友やファンがこんなにもたくさんいるのに・・・ほんとに残念でなりません・・・
どこまでも憶測でしかありませんが・・・
ただ単に病気の父がかわいそうで・・・という一言ではなく その奥深くにある思いというものをミノルをとおして知り ついヨンハさんと重なってしまったしだいです。

誤解をまねくといけませんので、念をおして・・・あくまでも著者の思いとは関係なく 私が勝手にそう感じただけですので・・・間違われないでくださいね^^;
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今日はちょっと 気分が沈んでしまうような本の紹介になってしまいましたが。大変 良い本なんですよ^^先ほども言いましたが 中年世代には得にお勧めですよ^^
ぜひ読んでみてくださいね☆
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そして最後になりましたが。
パク・ヨンハさん 天国で安らかにお眠りください。